ひまわり信託ニュース

2015年1月20日 | 「教育資金贈与信託」続 信託ならではの工夫はできないか

「教育資金贈与信託」続 信託ならではの工夫はできないか

「教育資金贈与信託」と言い習わされている制度ですが,実は「信託」じゃないといけないわけではありません。
信託で高名な菅野真美税理士の出されたご本の題名も「教育資金一括贈与非課税制度完全ガイド」です。
贈与資金の渡し方は別に信託に限られていないのです。

それでもこの制度が「教育委資金贈与信託」として認知されたために,信託銀行はこのジャンルでは相当のアドバンテージを得ているようです。さすが,というべきでしょうか。

ただ,私としては,ここに更に信託ならではのプラスアルファを目指して欲しいのです。

前の記事に書いたように,今の制度は相続税・贈与税という税金の制度ですから,「教育資金以外に使ったら贈与税かけるよ」という押さえはしているものの,実際に贈与税なんてしらんがな,遣ってしまえ,という行為自体にブレーキをかけられる仕組みにはなっていないのです。

それをできるとしたら,正に信託なんですね。
受益者であるお孫さんに,どういう条件でお金を出してあげるかをデザインできるのが信託です。
信託の受益者であるお孫さんたちが変に自由に使えないように,教育資金という趣旨を貫き通すようにする契約ができれば,完璧なわけです。

それが今の制度で実現可能なのかどうか,もし可能なら信託銀行さんにはぜひその点を差別化して,更にアドバンテージを得て欲しいものです。

信託ならではの仕組みを活用できる制度が望まれます。

(文責:伊東大祐)