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  • ホームページ開設記念緊急座談会:弁護士が信託に関わる理由

弁護士が信託に関わる理由を座談会でわかり易く説明しております。ホームページ開設記念緊急座談会のページです。

伊東:

私たち民事信託・家族信託・福祉型信託研究弁護士グループ(7人の会)の強みはどういうところにあると思います。野俣さんから,自己紹介も交えて。

野俣:

弁護士3年目の野俣です。事務所では、基軸分野の交通事故案件の他に、それぞれの弁護士が専門分野を有し、各自が当該分野の勉強を行っておりまして、

私は遺産分割や遺言信託等、相続に関わる案件を取り扱っております。われわれの強み,それは何といってもこの分野での勉強量じゃないでしょうか。伊東先生とは東京弁護士会の研究部でお会いしたわけですが,毎月の研究部での研究に加え,日弁連の企画の準備にも参加しましたし,この会発足後、休日を潰しての税制勉強会など,この分野を徹底的に研究しています。もちろん今後も研鑽を怠りませんが,この仲間での議論ほど役に立つ場はないと自負しています。

伊東:

野俣さんと清水さんは,私のアベノミクス税制改正の講義に来てくれたのがご縁でしたが,清水さんはどう考えます。

清水:

清水です。私は弁護士は3年目ですが,以前は不動産会社に10年間勤務しており,今の事務所でも不動産関係の業務は多いです。また,事務所では,相続専門チームに属しているのですが,不動産がらみの相続案件では活躍させていただいております。
さて,われわれの強みですが,メンバーそれぞれがユニークな経歴をもっている集まりだという点が挙げられます。若くて切れ者の野俣さん,山口先生や伊東先生のようなベテランもいます。研究部部長の岩田先生,遺言相続についてのNPOでご活躍の廣瀬先生,民事信託の伝道師として全国弁護士会を行脚している伊庭先生と,弁護士ですから「七人のサムライ」と言っても過言じゃないのではないでしょうか。

伊東:

いや,7人になったのはたまたまで,別に狙った訳じゃないし,これからもっと増やしていきたいと思いますよ。人材といえば,清水先生の奥様は相続税などにお詳しい税理士さんで,税制勉強会の講師をお願いしたんでしたね。
では山口先生はいかがですか。

山口:伊東先生より1期上の山口です。事務所は弁護士法人岡田綜合法律事務所という事務所で、ボス弁がホノルル等で外国法弁護士として登録しているため、入所以来長年被相続人と他の相続人が国内、依頼者の相続人が海外居住の日本人というもめやすくこじれやすい相続案件を多数処理してきました。
われわれの強み,それはなんと言っても「弁護士であること」です。当然じゃないかと言われそうですが,民事信託の関係では,他の業種の方も活発に活動しています。ただ,その姿を見ると,われわれからは少し不安を感じます。われわれ弁護士は,遺言書の作成など相続の事前準備だけではなく,遺産分割や遺留分減殺など,準備をせずにもめ事になった,準備をしてもこじれてしまった案件を多く見ています。その経験からするアドバイスは,お客様に十分お役立ていただけると思います。

伊東:

山口先生はある会計事務所のセミナーに「潜入」したんでしたよね。

山口:

身分を明らかにして申し込んだので,「潜入」はいかがかと(笑)。各地で,信託や相続のセミナーが多数開催されていますが、中には???(はてな)と思う内容も散見いたします。あるセミナーで説明された「信託を活用した相続税節税策」がわれわれの間でも議論になりましたが,はるか以前に一度はやって,その後封じ込められたものを紹介するわけです。確かに国税庁の通達や相続税法施行令の表現が曖昧で,最終的にはグレーな部分はありますが,世間では国税庁が手を打ったと言われている話を紹介していました。

伊東:

最後に私の方から。当会のベテラン陣の特色として,成年後見業務に明るいこと,これを挙げたいと思います。昨今は後見人を受ける弁護士も増えましたが,以前は少数派でした。その時代から後見関係の業務に従事し,相続関係の業務を後見の観点から見直す必要を強く感じていたのが,この会発足の強い動機にもなっています。この点,わがグループではベテランと若手がチームを組んでご相談に対応しますので,ベテラン陣のこの経験がたいへん生かされると思っています。相続のアドバイスをするのに成年後見業務を知っていることが必要なのは,ブログにも書いたのでご参照下さい。
「成年後見制度を知って欲しい」
http://ameblo.jp/trust-lawyer/entry-11980442853.html 

「『後見』を知らない遺言の怖さ」」
http://ameblo.jp/trust-lawyer/entry-11981043490.html)

伊東:

私は今年京都で,研修所卒業20周年の大会があったんですが,弁護士を20年もやってると面の皮も厚くなって,方々に出しゃばっています。
信託銀行の専門家も加わった研究会にも参加しているので,彼らの強みもよく理解しているし,使えるものはお客さんにもご紹介するつもりですが,残念なのは信託銀行ではお金(一部の信託銀行は事業承継の自社株信託も受けていますが)は受けるが不動産は受けないので,信託の100%の活用が難しいことです。今後の進展に期待しますが,不動産が関係する案件は,懇意にしている弁護士信託会社と手を組んで解決していこうと思っています。
では皆さん,お忙しい中ありがとうございました。

    2014.12.22